Blue Bizenは青備前を英語読みしただけのもの?
いえ違います。単なる今までの青備前ではありません。
Blue Bizenは製法上から言えば備前焼の1つですが、新しい技法と新しい焼成法と新しいデザインを提唱し、現代のライフスタイルに合った作品を提供し、焼き物の新カテゴリーを目指します。
備前焼の伝統の焼き色は茶色で和のイメージですが、Blue Bizenは青色を基調とし洋のイメージで洋食器としての位置づけで展開をします。
日常生活の中で愛着を持ってお使いいただける食器類からインテリア品として、またキラリと光るアイテムとしてあなたの生活に潤いの時間を演出できればと思っています。
備前焼は重量感があり、重たいということをよく言われます。
しかし、食器として日常的に使うには軽い方がいいに決まっています。
Blue Bizenは特に女性の方を意識して、軽量化に努めています。
軽量化のためには粘土を薄く伸ばして制作する必要があるのですが、薄くしすぎると焼成の段階や焼成後に割れやすくなってしまいます。
従来の備前焼の焼成だと火の当り具合が均等にならないため薄いと割れやすかったのですが、Blue Bizenの焼成では窯の中に匣鉢(さやばち)を据えることで匣鉢内全体が均等に一定温度に保った状態で焼成ができるため、従来品のように焼きムラがある備前焼よりも割れにくい(耐久性の優れた)製品ができあがります。
このようにしてBlue Bizenは従来品より軽くて割れにくいものに仕上がりました。
備前焼は陶器の中でも「炻器(せっき)」と呼ばれる水が漏れない焼き締められた素焼ですが、素地に微細な気孔があり、通気性があることにより花瓶の水が腐りにくく、生けた花が長持ちしたり、徳利に一日入れた酒がまろやかになる特性があります。
一般にあまり語られていませんが、従来の備前焼の伝統的な焼き景色である胡麻(ごま)や桟切り(さんぎり)は素地をガラス状にコーティングするものであり、これにより備前焼が本来持っている効能が若干薄れ、炻器の特性が失われています。
匣鉢(さやばち)による焼成方法により灰の付着に侵されない「Blue Bizen」は炻器としての効能を素のまま残すことができ、備前焼の日常使用の中で存分に発揮できると考えます。
これらについて今後検証をしていきたいと思います。